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本場アメリカのカウボーイ行事 牛のブランディングとは? ~夢のカウガール体験~

アメリカ生活

こんにちは!アメリカ・テキサス州で3人の子育てをしているえりかです。

アメリカ、テキサス…と聞いてどんなことを想像しますか?カウボーイを想像する人が多いのではないでしょうか?

私は幼少期からずっと『カウガールになりたい!』というのが夢でした。小学校の1/2成人式でもカウガールになりたい夢を熱く語って友人や保護者からちょっと変わってるけど素敵な夢ね!と言われるくらい、馬に熱中した良い意味でちょっと変わった子でした笑

アメリカ人の夫も家族も特に牧場経営をしているというわけではなかったのでアメリカ・テキサス州に住んでいるのになかなか牧場や馬に関わることなく、時は過ぎていきました。ある時、友人家族が牧場経営をしていることを知り、カウボーイの家族イベント『ブランディング(Branding)』に誘っていただきました!

みなさんはブランディング(Branding)って聞いたことがありますか?今回はこのブランディングがどういうものなのか?そして実際にどんなことを体験してどんなことを感じたか…を綴っていきたいと思います。

ブランディング(Branding)って何?

カウボーイの使うブランディングという言葉の意味は、牛や馬に焼印をすることを指します。では、なぜ焼印をするのか…?

焼印がどの牧場がこの家畜を所有しているのか、またはどこで育ったのかという証明になるからです。昔は放牧している家畜が水場や牧草地を共有していたりすると、どこの牧場主の家畜なのかわからなくなることから焼印が重要でした。家畜泥棒から守るためにも誰の家畜なのか証明するのはとても大切なことだったそうです。

今では所有物の証明と同時に「あのマークの牛は肉質がいい」「あの牧場で生まれた馬は血統がしっかりしていて良い馬が多い」など…焼印が質や評価・評判といったブランディングにもつながる重要な役割を担うようになっています。

また、テキサス州では焼印登録を定めており、未登録のものは所有権の法的証拠にならないとしています。焼印が家畜の所有の証明になることが法律で定められているのです。

友人家族のブランディングスタイル

肉牛農家の友人家族はとても伝統的なカウボーイスタイルで行われます。

友人家族のブランディングの流れ

〇自由に放牧された牛たちをカウボーイたちが集め、柵の中に親子の牛たちをすべて集める

〇子牛と母牛を分ける
母牛の声が聞こえる近距離の柵に分ける

〇ロープで子牛を1頭ずつ捕まえ、子牛の体の左側が上になるように寝かせる

〇数人で素早く同時に下記の作業をする
・焼印
・予防接種
・予防接種(済)を示すため、耳にマークを付ける
・オスの場合は去勢

〇親子を一緒にして元の放牧地まで戻しに行く

見てわかるようにブランディングは大勢でチームワークで行います。2人のローピングをする人、2人の頭側とお尻側を抑える人、焼印をする人、耳に印をつける人、去勢する人…最低でも7人は必要です。

実はこういった昔ながらのカウボーイスタイルでやる牧場は今では少なくなっているんだと友人の旦那さんがおっしゃっていました。人手も必要ですし、何より昔ながらスタイルは労力がいるので手間がかかるという理由から簡単な方法に移行していく牧場も多いのだそうです。

ではなぜ友人家族はこの昔ながらのスタイルを貫くのか…それは子牛への負担・ストレスが少ないからとおっしゃってました。

昔ながらのカウボーイスタイルのブランディングが良い理由…

技術が発達し、近年ではいろいろな方法で牛を管理するテクノロジーが試されてきました。耳タグや、ICチップなどを利用する牧場もあります。ただ耳タグは取れてしまうリスクがありますし、ICチップもパッと見ただけでは識別できず、改ざんできてしまうという問題点があります。そういった点で昔ながらのやり方である焼印は確実に1回で改ざんのできないマークを付けることができるため、今現在でも重宝されているやり方だと言えます。

また、写真を見ると母牛と離されて、ロープをひっかけて捕まえて、色々なことを一気に処置されてかわいそう…と思うかもしれません。でも母親から完全に引き離され、1頭1頭小さい囲いに入れられて処置されると子牛は大きなストレスを感じるんだそうです。耳タグにしてもICチップにしても作業は必要になってきます。病気の予防のために予防接種は必須ですし、近親での交配を避けるためにも去勢は重要です。

母親の声がすぐそばで聞こえる、いつも一緒に過ごしている子牛たち(仲間)がいることで安堵感があること。そして何より、焼印以外のことも1度に終わらせてあげることで子牛の負担を最小限にすることが最大の配慮ということで友人家族は大変でもこのスタイルでのブランディングを続けているそうです。

なぜ左側にすべての処置をするのか?

法律で決まっているわけではありませんが、多くの牧場で伝統的に家畜の左側の腰・お尻部分に押されることが多いです。これには諸説あるそうです。

  • 牛は左に旋回する癖があるため、左側の方が見えやすい。
  • 人間が左から右へ文字を読むため、「頭から尻尾に向かって」読みやすい。
  • 右利きのカウボーイがロープを投げる際、牛の左側に位置するため確認しやすい。
    など…

テキサスの州法では焼印のデザインと一緒に体のどの部位に入れるかというのも登録しなくてはいけないため、決まった部位にする焼印をする必要があります。そしてすべて同じ左側で統一することですべての作業がしやすくブランディングも短時間で終わらせられますし、確認もしやすいです。これもまた牛のストレスを最小限にする昔ながらの工夫なのです。

馬と私

物心つく前から馬が大好きで、2歳の私が両親にお願いしたのは「庭にお馬さんが欲しい」でした。ずーーーっと馬が好きでとにかく馬、馬、馬…馬が好きすぎて中学の時は『ウマニア』と周りに言われるほど笑

両親が馬好きの私のために乗馬のできるキッズキャンプやプログラムに参加させてくれたり、中高大学生の時はファームステイをして牧場でバイトしたり…頭の中はとにかく馬で回っていました🐎

乗馬の中でもカウボーイ・カウガールスタイルのウエスタン乗馬が好きで、のめりこんでいました。

小学生の時の私
中学生の時の私
高校生の時の私

大学も馬や動物のことを学ぶ大学に行ったものの、就職して社会に出て忙しい毎日にのまれていきました。あんなに大好きだった馬に関わることは激減していきました。

結婚してテキサスに引っ越してもっと馬に関わる機会があるかなと期待したもののなかなか思うように関われずにいました…そんなときに友人とご家族が牧場経営をされていると知って、お話を聞いているうちに今まで眠っていた『カウガール』という夢が思い出されました。

私のブランディング体験

友人とご家族が近々ブランディングがあるよーと言って誘ってくれたのがきっかけで参加させていただくことになりました。今回、ブランディングに参加させていただいたのは2回目!1回目と2回目がどうだったのか…綴っていきたいと思います。

はじめてのブランディング体験

はじめてのブランディングでは乗馬をして牛を集めて移動させるところから手伝わせてもらいました。馬に乗って牛と歩いてるだけで何とも言えない幸せな気分に…!長年の夢に心がじーーーーーんとしました。

牛を集めた後の作業は未知の世界でアタフタしながら友人の旦那さんが色々説明してくれて、とにかく指示に従ってやってみる!って感じでした。牛を倒して、牛の頭や後ろ足をおさえる役と大切な焼印を押させてもらう役をやらせてもらいました。はじめてなのにこんなことしてもいいんですか?!とアドレナリン溢れまくりでした。

自分のずっとやりたかった夢の体験にただただ夢中でこなしていました。周りもとても温かい雰囲気で、友人の旦那さんが「この子、日本で育ったんだけどカウガールになるのが夢だったんだって。今日は夢が叶う日だって言って来てくれたんだよ。色々やらしてあげて!」と言ってくださって、みんなウェルカムでやらせてくれましたし、わからないことも優しく指導してくれました。

でもブランディングのあと、緊張や集中が途切れたところで体が激痛なことに気づきました。大して普段から鍛えていない私がものすごい力のある牛を抑えるという役をやったことで全身筋肉痛とこわばりがすごかったです!

でも長年の夢が叶って体中の激痛なんてどうでもいいほど、こういったことに関われた喜びが大きかったです!

2回目のブランディング

2回目のブランディングでは牛を集める作業、予防接種、予防接種(済)の耳マーク、去勢をさせてもらいました。なんとなく流れがわかっていたので、前回よりもスムーズに動くことができたと思います。

「今回は耳のマークをやってみるか!」と言われ耳にマークを付けるところから始まり、「予防接種もやってみなさい」と大きな注射器を任されました。でもずっとやってみたかったのが去勢。勇気を出して友人の旦那さんに「去勢1度やってみたいんですけどやらせてもらうこと可能ですか?」と聞いたら「やりたいならやってみなさい」と優しくOKしてくださいました。もちろん慣れてないのでスムーズにはいきませんでしたが何頭かやらせていただきました。少しずついろんな仕事をやらせてもらってとても嬉しかったです。

色んな事をやっている私を見て面白くなったのか近所から手伝いに来ていたお兄さんがロープを手渡してきて、「ロープもやってみるか?」と言ってくれました。でも残念ながらロープやったことがない…「やりたい!やらせてください!」と二つ返事で言いたかったですがやったことないのにご迷惑かけるわけにいかないので丁寧に断りました。正直、すっごく悔しかったです。

いつかまた参加させてもらえる時を夢見て…

ブランディングが終わってから…友人の旦那さんに「次に来る時はロープ教えてもらえませんか?次にロープやるか?って聞かれたらやってみたいです。」と言いました。旦那さんは「次来た時じゃ遅いだろ?今、今やるぞ!」とすぐにロープの指導してくれました。「初心者だからこのくらいのロープの硬さがいいだろう。投げ方は牛の骨に引っ掛けたい時、頭に引っ掛けたい時、足に引っ掛けたい時、馬の時でも全く違うんだ!」といろんなことを教えてくれました。

私が「これくらいのロープの硬さのものを購入して練習すればいいってことですね。」と言うと友人の旦那さんが「ロープは一本あげるから持って行きなさい。練習するためのこの牛も持って帰りなさい。」と素敵なギフトまでいただいてしまいました。

新しいものを買うときってとってもワクワクするのですがこの時ばかりはこの使い古されたロープも年季の入った牛もカッコよすぎて楽しみな気持ちと嬉しさでいっぱいになりました。この牛は娘たちによってローパーくんと名付けられました。

止まっている牛と動いている牛では全く違うと思いますがまずはこの相棒の牛のローパーくんと一生懸命練習していつかローピングにも挑戦したいと思います!

いただいたロープと牛のローパーくん、高校生の時から愛用しているカウボーイブーツ

最後に…

アメリカのブランディングどうでしたでしょうか?アメリカのカウボーイってカッコいい!だけでなく、皆さんの目の前にあるお肉はこんな工夫や牛への配慮を持って私たちに届けられているのです。新しい方法や技術は目覚ましいですし、すごいと思います。でも今回こうしてブランディングを体験してみて昔ながらの先人たちが考えに考え抜いて出来上がっている技術や工夫のすばらしさを感じることができました。そして牛たちの配慮を考えて伝統的なやり方を続けている友人の旦那さんとご家族も素敵だなと思いました。

私はずっとウエスタン乗馬が好きで馬が好きなんだと思っていました。ウエスタンの乗馬競技をやったこともありました。楽しかったですし、それなりに好きでした。でも、こうして色々と友人家族の農業を体感してみて、牛と共に農業の中で馬とパートナーになって作業するのがやりたかったんだと実感しました。今までの乗馬の中で何よりも馬と楽しく過ごしたように思いました。そして牛のために負担を最小限に考えたスタイルも聞けば聞くほど興味深く、私の興味はここにあったのか…と気づきました。

長年の夢を叶えるために様々なことを教えてくれて、いろんなことをやらせてくださった友人の旦那さんと私に夢の時間を提供するために子供たちのこと受け入れてお世話してくれた友人には最大の感謝の気持ちでいっぱいです。そして今回私と一緒に頑張ってくれたソルジャー君(お馬さん)にも…感謝です!!

記事を読んでくださった皆さんにもカウボーイのブランディングの意味や工夫について少しでも伝わったなら嬉しく思います!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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