アメリカの医療ケア児と医療渡航 Miracle Flight ~子供のフライトをサポートしてくれる財団~

こんにちは!軟骨無形成症を持つ息子・モーリーの母、えりかです!アメリカで3人の子育てをしています!

アメリカで子育てをしている中で子供が大けがをした、大病にかかった、難病の診断を受けた…など大変な起こることがあります。近場の病院では対応できないから専門医のいるこの病院に紹介状を出されたとき…とんでもなく遠い病院を紹介されることもあります。とくに小さな都市や田舎に住んでいると医療面では選択肢がないため大都市の病院を紹介されることがよくあります。

ケガや病気の診断されたことですでに不安いっぱいなのにも関わらずこんなときに心配なのがアメリカのとっても高い医療費…くわえて遠方への医療渡航とその費用…もう心配や不安がドミノ倒しのようにのしかかってきます。

そんなときに医療渡航のサポートをしてくれる非営利団体があります。それが『Miracle Flight(ミラクルフライト)』。今回はそんなMiracle Flightについて、利用するための条件や申請方法、実際の体験談をつづっていきたいと思います。アメリカで医療ケア児と共に頑張るご家族、子供の突然のけがや病気で大病院に行くことになり、右も左もわからず困っているご家族に参考にしてもらえると嬉しいです。

このブログの内容は、息子・モーリーとの経験をもとに書いています。ご自身やお子さんの症状・治療については、必ず専門の医療機関で診察・ご相談いただくようお願いいたします。

目次

Miracle flight(ミラクルフライト)とは?

Miracle flightは経済的、医療的支援を必要とする17歳以下の子供と家族を対象に、全米での民間航空機によるチケットを手配をしてくれる非営利団体です。飛行機のチケット代は団体が負担してくれます。人生を大きく変えるような医療ケアを受けるための専門医(認定医)や認定医療機関との架け橋となってくれています。(Miracle flight 公式HPより、一部引用・翻訳)

利用するにあたっての条件

Miracle flightを利用するにはいくつか条件があります。

Miracle flightに申請する前に確認しよう!

・患者本人が0~17歳の子供であること
・医療治療を目的とした渡航であること
・専門医による診察予約、治療予約、手術予定日時がすでに確定していること
・アメリカ在住であること(アメリカ国内のみで海外便の手配はしてない。)
・民間航空機に乗れる健康状態であること
・渡航したい日時から最低でも14日以上前であること(緊急渡航は手配していない)
・世帯人数によって利用できるかどうかの所得制限があるため制限額を下回っていること

※所得制限について…米国保健福祉省(HHS)が公表する年間連邦貧困ガイドライン(FPL)の370%までの収入を対象としています。(Miracle flight 公式HPより、引用・翻訳)

利用ポイントについてもまとめました。

利用するにあたってのポイント!

・1か月に最大2往復まで利用可能
・小児患者本人+最大2名(家族、保護者)までの渡航をカバーしてくれる
・出発希望日の【14日前】までに申請書類一式が完了していることが必須
・医療渡航の都度、申請する必要あり
・診察・治療等をする病院側にもMiracle flightの申請をお願いする必要あり

子供の手術などになるとやはり両親そろって付き添いたい…初めての専門医からのお話、家族そろって説明を聞きたい…そんな場合もあります。そういった場合にも家族2人分まではカバーしてくれるので両親そろって渡航したり、サポートが手厚く必要な場合は家族や親戚と渡航することもできます。また、赤ちゃんや幼いお子さんがいる場合も小児患者本人+ママと赤ちゃんといった組み合わせで渡航することができます。

Miracle flightの申請方法

実際にアメリカ在住で医療ケア児を抱えているご家族で利用してみたい!という方は以下の書類をすべてデジタルファイルにして用意しておきましょう。重要な個人情報になるので開く際にパスワードが必要な設定にしておくことをおすすめします。

申請のために用意するするもの

・渡航する子供の出生証明書(Birth certificate)

・収入証明
直近の確定申告書(IRS Form 1040)、障害年金(SSI/SSDI)の給付決定書、養育費(Child Support)証明、失業保険受給証明など、Form 1040 以外の収入源がある場合はその証明書。

我が家の場合、夫の仕事の都合で前年の確定申告の提出遅延申請をしていた年がありました。その場合は申請後、Miracle flightから源泉徴収票(W-2)と遅延申請の証明として遅延申請をした際の書類の提出するように追って連絡がありました。提出後、問題なく渡航手続きをしてもらうことができました。

また、渡航する家族に未成年がいる場合はその子の出生証明書(Birth certificate)も追って提出するよう求められますので小児患者以外のお子さんが一緒に渡航する場合は準備しておきましょう。

申請書の入力

申請はオンライン申請になります。下記リンクから申請書の入力が可能です。

また、診察・治療・手術予定のある医療施設からも入力してもらう必要のある申請書があります。病院のアシスタントやソーシャルワーカーに下記リンクの申請をお願いしましょう。

※こちらの申請は自分で入力、申請することはできません。必ず予約を入れた医療施設にお願いして申請してもらいましょう!

申請後の流れ

申請後、担当者の方から直接電話が来ます。電話で申請内容を再度確認しながらフライト予約をしてくれます。下記、確認しながらチケットを手配してくれるので事前に自分の希望を伝えられるようにしましょう!

電話で確認されること

・申請書にある内容
・希望の空港からどんなフライトのオプションがあるか
・希望のフライト時間はあるか
・乗り継ぎがある場合、乗り継ぎに十分な時間は確保されているか

基本的には最安値で購入できる航空会社を予約してくれるため、航空会社の希望があっても希望が通らない場合もあります。でも伝えたら対応してもらえる場合もあるので希望の航空会社がある場合は伝えてみましょう。

同伴する家族が患者本人と親より早く帰らなくてはいけない場合も対応してくれるので相談してみましょう!

航空券が予約できたら空港⇄宿泊先の移動予約 ~BLACKLANE~

Miracle flightは陸の移動手段としてBLACKLANEという高級専用車(高級ハイヤー)の予約プラットフォーム・サービス会社と提携しています。そのため、フライト予約後にBLACKLANEの予約リンクがメールにて送られてくるので現地でレンタカーなどを利用しない場合や空港からそのまま宿泊施設に向かう予定のご家族はこちらの予約をしておきましょう。

こちらも利用料は無料です。今までドライバーにチップを払おうとしたことがあるのですが毎度断られてしまっています。たまたま親切なドライバーさんだったのかもですし、医療ケア児の家族だとわかっているから受け取ってくれなかったのかもしれません。私は毎度、一応チップを渡せるよう現金を持っておくようにしています。

医療渡航を支援してくれるほかの団体

実はMiracle flight以外にも様々な形で医療ケアを必要とする子供や大人の治療のための移動をサポートする団体があります。Miracle flightだと条件が合わないという方はぜひ下記団体もチェックしてみてください。下記以外にも疾患別でサポートしている団体や医療渡航にまつわる違ったサポートをしている団体もたくさんありますので是非ご自身に合ったサポートがないか調べてみましょう!

・Children’s Flight of Hope (CFOH)
申請方法や提出する書類等に多少の違いがあるもののMiracle flightのように遠方の医療ケアを必要とする家族のために航空券を手配してれる団体

・Mercy Medical Angels (MMA)
子どもから大人までを対象にした医療移動の支援団体です。航空券手配だけでなく、飛行機以外の移動手段やガソリン代支援など状況に応じたあらゆる移動手段を包括的に提供しています。

・Air Charity Network (ACN) / Angel Flight
ボランティアパイロットが、自身の所有するプライベート機(小型機)と燃料を寄付して無償で患者を目的地まで運んでくれます。一般便が飛んでいない地方空港間の移動や、州内の近距離飛行、感染リスクを避ける必要がある場合の利用にメリットがあります。子供から大人まで対象に運んでくれます。

・AeroAngel
民間航空機に乗ることが医療上危険(免疫不全、高度な医療機器を常時接続などの必要性がある)だが、ドクターヘリ・医療専用機(Air Ambulance)を利用するほどの緊急性はない(または高額で手が出ない)。そんな場合に子どもと家族を対象に、ビジネスジェット(プライベートジェット)を無料で手配してくれます。

我が家の医療渡航とMiracle flight(ミラクルフライト)

我が家の息子・モーリーは軟骨無形成症という骨系統疾患・難病を持って生まれました。呼吸問題がずっとあるのと、背骨に弯曲(重症)があるため地元の大きな病院だけでなくTexas Children’s Hospital(テキサス州ヒューストン)と骨系統疾患に強い整形外科病院Paley Orthopedic & Spine Institute(フロリダ州ウエストパームビーチ)に通っています。

小さな街に住む我が家…同じテキサス内のヒューストンの病院でさえ車で7~8時間かかります。これは日本での距離に例えると東京から福岡くらい、東京から札幌くらいの距離にあたります。同じ州内なのに…さすがアメリカ、さすがテキサス…本当に広大です。

ウエストパームビーチに至ってはアメリカを横断するような距離になります。そのためどうしても飛行機移動が必要になりました。そこで病院から紹介されたのが『Miracle flight』でした。

我が家のMiracle flight経験談

我が家はテキサス州内、ヒューストンの病院までは何とか車で通っていました。現地でも車が必要になるため、結果テキサス州内は遠くても車移動で頑張ってました。フロリダ州ウエストパームビーチの病院はさすがに車移動は大変過ぎます。そこで、初めてMiracle flightを利用させてもらうようになりました。

正直、高額な医療費に加えて渡航先でも滞在費、食費、レンタカー代など普段使わないようなことで高額な金額が飛んでいきます💸←もう本当にこの絵文字のイメージそのまま。どんどん飛んでいきます笑 いや、笑いごとではないんですけど笑うしかない、そんな額になっていきます。医療費や医療渡航の経済的負担のためにローンを組むことも珍しくないアメリカ…それがアメリカの医療ケア児・難病の子がいる家族の現実です。

そのため、こういった形でMiracle flightが航空券を手配、費用のカバーをしてくれるのは非常にありがたいことなのです。

Miracle flightで手配してもらったチケットで初めてフロリダへ!

また、我が家では夫の出張とフロリダでの治療日程がかぶってしまったことがありました。結果、私が子供3人を連れて医療旅行に行かなくてはならなくなりました。そのためモーリー(患者本人)+私と長女で申請。次女を同じ便で別途航空券を購入して医療旅行に行きました。安心して子供を連れて医療旅行に行くことができて非常に助かりました。

子ども3人とフロリダへ!

渡航後はお礼のメッセージと写真を送ります。Miracle flightからテキストメッセージが来るのでそれに返信します。

実際にMiracle flightに送信した御礼メッセージの写真

我が家はこうしてMiracle flightと出会って利用させていただけて、本当に心から感謝しています。Miracle flightのサポートがなければフロリダまで治療に通うという選択は難しかったと思います。専門的な良い医師がいると言っても継続的な治療を必要とするモーリーと家族のことを考えるとすんなり決断できなかったかもしれません。遠方であってもモーリーに合った最高の治療を受けるという選択肢を与えてくれて背中を押してくれたのはMiracle flightという存在があったからと言っても過言ではないと思います。

まだまだモーリーの治療は終わりが見えていない状態なので今後もMiracle flightにお世話になる予定です。こういった活動をしてくれているMiracle flightと活動を支えてくださっている方々に感謝しながら今後も利用させていただきたいと思います。

まとめ

アメリカに住む医療ケア児のいるご家族は色々と目に見えないところで大変なことも多いと思います。その一つが経済的負担です。その悩みが少しでも軽減されるととても大きなサポートになると思います。

そして、アメリカは本当に広大です。珍しい症例や難病、大病などになるとどうしても近場の病院だけでは対応できない場合も多々あります。やはり、遠方であっても子供にベストな医師、医療、治療を受けてほしいと思うのが親心。それが経済的負担で阻まれることのないようこうしてサポートしてくれる団体やサービスがあります。ぜひ対象になる方、ご家族は利用させていただいて、ベストな医療を受けつつ、少しでもご家庭の負担を減らすことができたらいいなと思います。

また、こういった活動に協力したいと思ってくださる方はぜひ下記リンクから寄付やボランティア等でサポートしていただけると大変ありがたいです。多くの医療ケア児のいる家族が毎日『Miracle flight』をはじめ、こういった活動をしてくれる団体に助けられ、救われています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

アメリカで3人の子育てをしている”えりか”です。

日米ハーフとして日本で育ち、現在はアメリカでクォーターの子どもたちを育てています。
自身のアメリカ生活や子育て体験をはじめ、バイリンガル教育の工夫、日々の気づきやライフハックについて綴っています。

また、低身長症や骨系統疾患のご家族・当事者のためのオンラインコミュニティ「Little People of Japan」の代表を務めており、ご家族同士の交流やサポートの場づくりにも取り組んでいます。

ご質問・お問い合わせはブログ内のフォームからお気軽にご連絡ください。

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