バイリンガル育児って自分が想像していたよりずっと大変!そう思ったことはありませんか?
私はアメリカ人ミックスのクォーターの子供たちを育てています。自身の経験から子供たちを日英バイリンガルに育てたいと思い、赤ちゃんの頃から子供と一緒に努力してきました。
また、子供たちの学校選びをする過程で想定もしていなかったトリリンガル教育をすることになりました。
そんな我が家のバイリンガル・トリリンガル事情をお話したいと思います。
ミックスの子のバイリンガル育児についてこちらで私の経験や考えを綴っています。
良かったら読んでみてください。
我が家のバイリンガル教育 ー未就学児ー
結婚当初から夫には子供に日本語を教えてほしいと希望されていました。
自身がハーフとして育った経験から「日本語話せるの?」「英語話せるの?」と聞かれたとき、「話せる!」と自信をもって言えたらどんなに気持ちが楽だっただろうと心のどこかでハーフなのにバイリンガルではない自分への劣等感とバイリンガルへの憧れを感じていました。
そのため素人の自分がどのくらいできるかわからないけれど頑張って日本語を子供に教えようと決めていました。
0~5歳までにやったこと
テレビ(動画)は日本語で見せる
私の町には日本語補習校がありません。そのため必然的に日本語を話す人がものすごく限られます。私とだけの会話ではボキャブラリーや言い回し、文化的背景などは育ちにくいかなと思ったのでテレビでいろんな会話の仕方を学んでもらいました。最近はAmazon primeやNetflix、Disney+など言語設定を日本語にできるものも多いため困りませんでした。どうしても日本語バージョンが見つからないときはVPN接続を使用したりもしています。
※VPNとは「仮想専用線網(Virtual Private Network)」の略でいろいろな用途で使用できます。ここではVPN接続をすることで自分のIPアドレスのアクセスを日本のVPNサーバーを経由して接続して日本の配信動画を視聴するという用途で使っています。
VPNサービスを利用できる会社は色々ありますが我が家はNord VPNを使用しています。
英語と日本語を混ぜない
ママと話すときは日本語、パパやみんなで話すときは英語と決めて使い分けるようにしました。
また、日英を絶対混ぜて話さないこと、これは徹底しました。
「何Eatしたい?」「Playする?」「テレビ何watchする?」などルー大柴さんの話し方に似ているためルー語と言われることもありますね笑
私はこのルー語を話さないように意識しました。子供にも混ぜて話さないよう教えました。たまに〇〇は日本語でなんて言うかわからないと言ってきてくれることもあります。必ずわからない単語を教えてあげて言い直してもらうようにしました。初めから徹底したことで今でも子供たちがルー語を話すことはほぼありません。面倒ですが1番日本語が伸びた練習方法だったと思います。
大人と話すように話す
話すときに大人と話すように普通に難しい言葉も交えて会話をしていました。そうすることで〇〇ってどういう意味?と聞いてくれるようになりました。意味をかみ砕いて説明してあげると子供たちの語彙力につながっていきました。
日本語の絵本の読み聞かせをする
日本語の本を読むことでひらがなに馴染んでもらえるようにしました。また絵本独特のストーリー性や言い回しも子供たちには面白いと感じる本が多くてよく喜んでくれたので効果的だったなと思います。
ただ、海外で日本の絵本って手に入りにくかったり、たくさんの種類の絵本をそろえるの大変ではないでしょうか?そんな時はこちらを利用してみてはどうでしょうか?
我が家のバイリンガル教育 ー小学生ー
学校に通いだしたらメインではない言語をどうするか。バイリンガルに育てたい!と強く希望している場合はどう教えていくか、事前に考えておく必要があります。
学校に行き始めればもちろん忙しくなりますし、宿題も持って帰ってくるようになります。日本語の勉強や会話に割ける時間はぐんと少なくなります。
日本語学習を続ける方法としては現地の日本人補習校に通う、オンライン補習校や講座を利用する、親自身が教材を用意したりして教える…など色々あります。我が家は今のところは私が教えるという方向で頑張っています。
一応、私のゴールは子供たちが18歳までに小学校6年生レベルの日本語の会話や読み書きをマスターすることを目指しています。
5歳以降、続けていること
テレビを見るときは極力、日本語で見せる
これは引き続き続けています。テレビ見たいなら日本語で!中には日本語がない場合もあるので極力日本語を選ぶように意識しています。
ネットの無料教材を利用した学習
今や教材はネットにたくさん落ちています。子供 無料 教材 プリント 国語 日本語 などキーワードを入れるとたくさん出てきます。各サイトアプローチの仕方やいろんなやり方の教材があるので、私はいろんなサイトをブックマークに保存して、その時々で子供に合わせて必要なものをプリントアウトしています。
ひらがなを覚えるときはこういった教材サイトからひらがな・カタカナのフラッシュカードをプリントアウトして暗記ゲームみたいにして子供たちに覚えてもらいました。
私のブックマークに入っているおすすめ教材です。
毎日読書をする
絵本大好きな私は子供たちが赤ちゃんの頃から少しずつ絵本や児童書を集めていました。
ひらがなが読めるようになってからはとにかく毎日読書をしてもらっています。ポイント制にしていて読書を続ければご褒美をもらえるシステムになっています。
今は長女(8歳)が1日最低30分、次女(5歳)が1日最低絵本2冊と決まっています。
(平日のみ、基本夕食を作っている間を読書時間にしています。)
本を読んだ後はどんなお話だったか、どこがおもしろかったか、どう感じたかを言ってもらって内容を理解できているか確認して感想を聞くようにしています。
小学生になって苦戦するのが『漢字』。膨大な量で本当に大変です。普段、日本で週5日、日本語で勉強している子供たちと同じように勉強するのははっきり言って無理に近いです。
私の場合は娘たちが多少漢字を書くのが苦手でもいいから読めるようなる、意味が分かって使い方がわかるようになることに重きを置いています。現代はPCをよく使うため変換で漢字を出すことができます。そのため、使い方と読み方さえわかれば書くのが苦手でも何とかなると思いました。
オーディオブックもおすすめです。最近、りっちゃん(8歳)はオーディオブックを聞いて実際の本の字を追いながら読むという練習もしています。最近、ハリーポッターにハマったりっちゃんはこの方法で漢字が多いハリーポッターを読み進めています。
うちでいろいろな用途で使っているごほうび台紙を印刷できるサイトです!
大使館から教科書支給をしてもらう
日本国籍のある子は教科書を無料で受け取ることができます。入手方法は各大使館によって違いますのでお近くの大使館の教科書配布を検索してみてください。小学1年生~中学3年生の教科書が申請できます。
ただ、好きな学年の教科書申請ができるわけではなく、現在のお子さんの学年に合わせた教科書がもらえます。また各大使館で申請時期が決まっている場合もあるので前もって調べて遅れずに申請しましょう。特に小学校低学年は申請数が多く、応募件数が一定に達するともらうことができない場合もあるそうです。
また、大使館から遠くて取りに行くのは難しいという方は送料を支払えば郵送をしてくれる場合もあるので確認してみましょう。
教科書の無料配布が受け取れる条件は以下の通りです。
☑日本国籍を持っている(二重国籍も含む)
☑義務教育の年齢であること(子供の年齢に該当する学年以外の教科書は受け取れない。そして永住予定の子供は無償配布の対象外。)
☑在留届を届出済みであること
注意:補習校在籍者は各補習校より教科書を入手すること。
※永住予定は対象外となっていますが、うちは本当にアメリカに永住するか、日本にいずれ移住するか、正直いつ何が起こるかわからないので毎年申請して教科書をいただいて勉強させていただいています。
教科書ワークをやる
教科書の出版社に合わせて作られた教科書ワークというドリルがあります。日本にいる両親から送ってもらって教科書と合わせて勉強しています。
日本から何度も送ってもらうのは大変なのでコピーして繰り返し使いまわしています。

トリリンガルに挑戦!
私たちの住むテキサスはメキシコから近い州のため、スペイン語を話す人が多い州のひとつです。そのためスペイン語を話せると仕事でも重宝されることが多いです。
娘の2歳のころから徐々にどの学校に通わせるか…夫婦で検討するようになります。
そんな時、夫が絶対ここがいい!!と提案してきたのがスパニッシュイマージョン学校(Spanish Immersion School)でした。
スパニッシュイマージョン学校(Spanish Immersion School)とは…?
生徒が他の教科を学ぶ際にスペイン語を媒介言語として使用することで、スペイン語に「浸かる」環境で言語能力と学習内容の両方を習得することを目指す学校のことです。
夫の希望した学校は3rd gradeになるまで英語を教えずスペイン語でほとんどの教科を教えるプログラムでした。(校内にスパニッシュイマージョンではない英語クラスもあるため、特別科目のPE(体育)や音楽、アートなどは英語を話す先生に教わります。そのため特別科目のみ英語。)
正直、私の経験からくるエゴで日本語を頑張ってくれていることにありがたさと同時に頑張らせすぎてないかと不安に思っている部分もありました。なのでここにもう1言語足すのは酷ではないか?大変過ぎないか?と思い、すぐに賛成できませんでした。
ただ夫もまたテキサスに住む上でスペイン語ができたらよかったのに、仕事でももっとつかえる場面があったと思うから後悔があったとのこと…その気持ちがわかるからこそ反対もできませんでした。
IBスクール(IB School)とは?
夫の勧めてきた学校はIB schoolでもありました。それまで私はIBスクールを聞いたこともなく、何のことか全くわかりませんでした…
IB schoolとはスイスに本部がある「国際バカロレア機構」が提供する国際的な教育プログラム(国際バカロレア:International Baccalaureate、略称IB)を実施している認定校のことです。IBプログラムを学ぶことで、国際社会で活躍するための探求心や批判的思考力、多角的な視点などの能力を育みながら、国際的に通用する大学入学資格(IB資格)を取得できることが特徴です。
・国際的な視野を育む:多様な文化の理解と尊重を基本とし、グローバル社会で行動できる人材を育成することを目指している。
・探求型の学習:知識を詰め込むだけでなく、生徒が自ら探求し、批判的思考力や自己管理能力を養うことを重視。
・大学入学資格の取得:プログラムを修了し、所定の成績を収めることで、国際的に認められる大学入学資格を取得できる。
IB schoolを調べてみて、国際的なバックグラウンドがある娘にはピッタリだと思いました。
またIBスクールで教師として勤めるためにはIB認定のためのワークショップ(研修)や教育課程を受けないといけないと学校からの説明にありました。学校全体でIBプログラムに強く取り組んでいるのを知ってとても興味を持ちました。
決め手
- スパニッシュイマージョンがあり、小学校卒業(5th grade)までにスペイン語のバイリンガルを教育するプログラムがある。
- IBプログラムがあり、国際的な教養が身につく。
- 校内には英語クラスもあり、本人がスペイン語についていけなかったり、興味がない場合は英語クラスに移ることが可能。転校する必要がない。
- 公立校である。
- 学校規模が小さく、1クラス20人以下の少人数制。
- いろんな人種の子が通っているため人種差別をされにくい、そしてしないのが当たり前と学ぶ環境。
色々検討を重ね、娘がスペイン語についていけない、興味がない場合は無理させないというのを約束し、夫の希望の学校に入学させることになりました。
バランスの取れた言語教育
心配していたトリリンガル教育。娘たちにはものすごく合っていたようで4歳でPre-Kを始めるころには日本語も英語もある程度コミュニケーションが取れていたりっちゃんとあっちゃん。2人共もう1言語足すことにあまり抵抗がありませんでした。これは本当にありがたかったです。
また、パパや友人とは英語、ママとは日本語、学校はスペイン語。この言語バランスが日本語教育も後押ししてくれました。というのもやはり英語の学校に行けば英語の比重がぐんと多くなります。そうすると日本語量が極端に減り、子供は楽な英語でのコミュニケーションをとりたがるようになることは少なくありません。
うちの場合は結果論ですがやってみたら英語だけに偏らずにうまく各言語の練習量のバランスが取れてものすごく娘たちに合った学習法になっていきました。
まとめ
バイリンガルに育てられるかなんて全くわからないゼロな知識から始めた私のバイリンガル育児。まだ育児半ばになるので成功例とまでは言えませんが今のところ日本語を話す、書く、読むまでバランスよくできるようになってくれています。(現在はりっちゃん8歳、小学2年生レベル、あっちゃん5歳、小学1年生レベルの読み書き、会話ができている状態です。)
スペイン語も英語もよく頑張ってくれています。将来この経験やスキルが何らかの形で役立つ時が来たらいいなと思います。
もちろん子供によって合う合わないがあると思うのでいろんな方法を試してみないとわかりませんがブログを読んでみて良いアイディア!と思えるヒントが1つでもあったなら嬉しく思います!