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医療カンファレンスにはじめて患者家族として参加! ~LPA 2023 ナショナルカンファレンス~

モーリーの生活

こんにちは!軟骨無形成症を持つ息子・モーリーの母、えりかです。アメリカで3人の子育てをしています。

2022年、息子・モーリーが誕生しました。誕生後すぐ骨の疾患である難病・軟骨無形成症と診断されました。診断後、小児科医からは病気や合併症の説明と共に患者会としてLittle people of America(以下LPA)を紹介していただきました。

今回はそんなLPAとはどんな団体なのか、LPA主催のナショナルカンファレンスにはじめて参加した時のこと、カンファレンスに参加することで学んだことを綴っていきたいと思います。患者さんが医療カンファレンスに参加する意義を伝えたいと思います。

今回は医療カンファレンスに参加した時の体験談になります。医療的なアドバイスは含まれません。もし、お子さんやご自身について不安に思う点があれば必ず医療機関に相談するようにしてください。

Little people of America(LPA)とは?

LPAは1957年に俳優・ビリー・バーティが呼びかけた集会に参加した低身長症(小人症)20人と一緒に結成されました。ビリー・バーティ自身も骨系統疾患を持つ低身長症でした。LPAは低身長症とその家族や仲間を対象とした支援と情報提供をする非営利団体です。アメリカ国内外に約7500人を超える会員がおり、13の地区と70の支部があります。社会交流、親や仲間の支援、医療支援と教育、奨学金と助成金の提供など幅広い活動を行っています。

モーリーの診断された軟骨無形成症をはじめ多くの骨系統疾患や低身長の人やご家族が参加している世界でも最大級の患者会です。

LPAのナショナルカンファレンスへの参加を決める

当時、モーリーが生まれてすぐ軟骨無形成症と診断され、右も左もわからない中、いきなり難病・希少疾患を持った医療ケア児の育児が始まりました。

当時の担当医の小児科の医師も軟骨無形成症の患者を持つのが初めてで論文を読んだり、いろんなことを調べ、勉強してくださいました。私たちに最大限寄り添って一緒に頑張ってくれている医師から「医師が伝えられる情報には限界がある。患者や家族同士の繋がりや情報に勝るものはない。」と言われ、LPAを紹介されました。

調べてみると息子が7か月を迎えるころにLPAの最大イベント、ナショナルカンファレンスというイベントが私たちの住むテキサス州のオースティンで開催されることがわかりました。毎年、西部・中部・東部とまんべんなくいろんな都市を回っていろいろな人に参加してもらえるよう場所を変えて開催されるため、モーリーが生まれてすぐ、自分の住む州で開催されるというのはとてもラッキーなことでした。

正直、当時は誰かに相談したい、でも誰に質問したらいいかわからない…医師に相談してもわからないことがたくさんあると思い始めていました。医師からも絶対参加するべき!と勧められ、このナショナルカンファレンスに参加することに決めました!

助成金制度『The Kitchens fund』を申請していざ参加!!

モーリーは生まれてすぐから入退院を繰り返していてアメリカの恐ろしく高額な医療費にストレスを感じ始めていました。カンファレンスに参加したい!でもカンファレンスの開催されるオースティンまでは車で数時間かけてドライブになります。カンファレンスも7日間に渡って開催されるため、交通費も滞在費もかなりかかります。当時、医療費の請求書がバンバン届き始めていた我が家…そんな余裕があるのかなと不安でした。

そんな時、知り合いに紹介していただいたモーリーと同じ軟骨無形成症を持つご夫婦から連絡を頂き、「The Kitchens fundザ       キッチンズ ファンドというサポート制度を利用できるかもしれないから申請してみなさい。」と言われました。

The Kitchens fund ザ  キッチンズ ファンド

The Kitchens fundとは初めてLPAのナショナルカンファレンスに参加する家族に向けた助成金制度。下記条件を満たしている必要があります。

・全国カンファレンスへの参加が初めてであること。
・会費を納入済みの、良好な状態にあるLPA会員であること。
・未成年の場合は、成人または保護者が同伴すること。
助成額は、利用可能な資金に基づいて年ごとに異なりますが、1家族あたり平均300ドル〜750ドルとされています。

調べてから急いで申請しました。あまり難しい申請ではなく、基本情報となぜカンファレンスに参加したいのか、どんなことを学びたいのかを書いて申請しました。その後、申請が無事に通り、初めてのナショナルカンファレンスに行くための助成金を出していただくことが決まりました。
※上記の助成金が家族向けなのに対して18歳以上の大人の参加者のためのThe Ellen Fernandez Fund(エレン・フェルナンデスファンド)という助成金もあります。

LPAのナショナルカンファレンス初参加

まず到着してレジストレーション(受付)を済ませました。会場に着いての感想はただただ圧倒されたというのが本音です。見渡す限り多くの低身長症(小人症)の方々でいっぱい!!

私は人生で息子が1人目に出会う低身長症を持った人でした。希少疾患でなかなか出会う機会がなかった人たちが目の前に何百人といるのです。今まで映像や写真でしか見たことのなかったモーリーと同じ疾患の人たちがたくさんいて、とにかく言葉にできないくらいこのカンファレンスの大きさに驚き、圧倒されました。

患者・患者家族として参加する医療カンファレンスとは…?

医療カンファレンスと聞くと医師や看護師、製薬会社など医療関係者が勉強や研究発表のために開催するものというイメージではないでしょうか?私もそういったイメージでした。

LPAのカンファレンスは患者とその家族が主役といった形で開催されており、それに加えて医師や看護師、製薬会社、医療関係者のためでもあるといった印象でした。患者主体でとても活気があり、専門的なことを学ぶのはもちろん、お祭りのように楽しい企画もたくさんありました。私が想像していたカンファレンスの印象とは大きく異なるものでした。

低身長症(小人症)・骨系統疾患の専門医が集結!セカンドオピニオンが無料で受けられる!

低身長症(小人症)・骨系統疾患の専門医がアメリカ国内または海外からもこのカンファレンスのために集結します。事前予約が必須にはなっていますが参加者は必要な科の医師のセカンドオピニオンが無料で受けられます。これはこのカンファレンス最大の魅力だと思いました。

モーリーも当時わからないことだらけだったので予約をいっぱい入れてたくさんの医師からいろんなお話を聞きました。この時は耳鼻科、脳神経外科、栄養科、遺伝科、整形外科、フィジカルセラピー(理学療法)科を1日で回りました。検査結果やデータを事前に準備して持って行くことが重要です。

私のように大きな都市に住んでおらず、医師もこの疾患にあまり詳しくないところにいる家族としては1か所に疾患に詳しい医師が集まっていて的確なアドバイスがもらえるのは嬉しかったです。そして、この疾患をよく知っている医師だと思うと安心して相談できました。医療費が高いアメリカ…無料で専門医のセカンドオピニオンが受けられるのは非常にありがたかったです。

色んなワークショップの開催

年代別の親の悩みをシェアし合って相談し合うワークショップ(WS)、就職の話をするWS、幼児を遊ばせるWS、ティーン同士の相談会や交流会、精神的ケアのWS、新薬・治療の質問会、便利アイテムや商品などの企業による出店、地域別の集まりと交流会、医療関係者の専門的な学会発表会など…書ききれないほどの本当に盛沢山の勉強会が開催されました。

私たちは時間が許す限りたくさんのワークショップに参加させていただきました。あまりに多くの情報に頭がパンクしそうになりながらこの機会を逃すまいととにかくいろいろなところでたくさん質問して自分の中にある不安を少しずつ解消していきました。

託児所完備 親が学びに集中できる環境づくり

有料ではあるもののとても安価で子供を預かってくれる託児エリアが用意されています。疾患を持っている子だけでなく、きょうだい児も見てもらえました。

WSの内容は子供にとってはつまらない内容だったりセンシティブすぎる内容だったりすることもありました。そのため、子供たちは子供たち同士でたくさん遊んで楽しんでもらい、大人は集中して勉強できるのは画期的でとてもありがたかったです。

ディナー、ダンスパーティー、ファッションショー…夜までイベント盛沢山!!

カンファレンスは毎日朝から夜までイベントが企画されていてただの勉強会というよりはエンターテインメント性のあるお祭りのようでした。ダンスパーティーは年齢制限があり大人だけで楽しむ時間枠もありました。

特に印象的だったのがファッションショー。年代別に幼いグループから大人まで順番に自慢の衣装で次々に登場します。年代別が終わると海外ゲストもランウェイを歩きました。

元気に楽しそうにランウェイを歩く皆さんを見て息子の成長過程を見ているようでした。ただただ元気に生きる姿に感激して嬉しいと思う反面、息子は本当に普通には成長しないんだ…と現実を見て胸がキュッと苦しくなる思いが入り混じって何とも言えない気持ちが溢れました。そこからは涙が止まらなくなりファッションショーの間、静かに号泣していました。

子供たち同士・親同士の交流

参加してみて最大の収穫は人とのつながりと先輩ママ・パパから得られる様々な情報だったと思います。

この時参加したカンファレンスではモーリーはおそらく最年少でした。多くの先輩ママ・パパが「わぁーかわいいー!」「懐かしいー!」と自身のお子さんのことを思い出しながら声をかけてくれました。おかげで多くの方とお話したりアドバイスいただいたりすることができました。同じように悩んで乗り越えてきた先輩ママ・パパたちだからこそ、腹を割って本音と本音で話ができて、今までに感じたことのない安心感を感じながら話をすることができました。

そして親同士が話をしていると自然と子供同士が遊びはじめ友情が芽生えていました。出会ったママからお誘いを受けて複数の家族でホテルの部屋に集まってごはんを食べながら子供を遊ばせたりもしました。

当時、息子が生まれてから周りに同じ境遇の人がおらず、孤独を感じていた私にとってとても有意義で大切な時間だったと思います。

疾患を持つ本人同士の交流の場

毎年開催されることから会場全体が特大の同窓会のようになっていました。長い歴史がある患者会だからこそ、この患者会と共に育ってきた同世代の友人たちとの再会を楽しむ方々もとても多くいらっしゃいました。

また、こうした患者同士の繋がりはとても大切なんだよと患者とそのご家族の皆さんが口をそろえておっしゃっていました。例えば、周りの身長がグッと大きくなるティーン世代は思春期と周りとの身長差が広がり、いろんな悩み・感情を感じる世代なんだそうです。そんな時、同じ疾患や似た疾患だからこそ分かり合える、相談できる仲間に会うことでメンタルの支えになることもあるんだそうです。

私と夫は息子と同じ疾患を持っていません。息子に寄り添って最大限理解する努力をしても、本当の意味で理解することは難しいかもしれません。そんな時、こうして同じ疾患、似た疾患の人とのつながりがあることで私たちに相談しにくいことも相談しやすい同志のようなつながりが非常に重要なんだと思いました。

きょうだい児としての参加する大切さ

カンファレンスに参加した1番の目的はもちろん私と夫が軟骨無形成症や低身長症について学びたい!もっと理解したい!という理由でした。

もう一つ、私がずっと気になっていることがありました。娘たちがモーリーに対してどういう気持ちを抱いて育っていくのか…当時6歳と3歳の娘たちにはなぜモーリーが入退院を繰り返しているのか、疾患を持って生まれたと言われてもなかなか何が起こっているのか理解できないことも多かったと思います。低身長症の方を実際に見たことのない娘たち…このカンファレンスに参加することで娘たちにも何か感じるものがあればいいなと思いました。

カンファレンスで大人の軟骨無形成症の方々とお会いすることで「モーリーの病気と同じ人?すごい!みんなかわいい!大好き!」大人の方々にかわいいという表現が良かったのかわかりません。でも、私が受け入れるより先にすんなり受け入れてみんなと積極的に交流して楽しむ娘を見てとても頼もしく思いました。

託児所でも疾患のある子のできない部分を進んで手伝ったり、体を支えてあげたり、歩行器を持ってきてあげたり…明るく笑って友達になった子みんなを紹介してくれる姿を見て心から嬉しくて涙が出ました。

「モーリーもみんなと同じ、小さい人なんでしょ?モーリー世界一かわいい!生まれてきてくれてありがとう!」

託児所でモーリーにハグしながら嬉しそうに言う娘を見て、なかなか現実を受け入れられない自分が恥ずかしくなりました。そのくらい娘の言葉とカンファレンスでの娘たちの反応や行動にものすごく救われました。

最後に…

カンファレンスに参加してみて患者がカンファレンスに参加する意義はとても大きいと感じました。医師から提供される情報だけでは絶対的に足りない部分を会場にいた多くの先輩ママ・パパが補填してくれました。それでも不安が完全になくなったわけではありませんでした。でも、自分は一人じゃない。この繋がりが私たちを助けてくれるし、いずれは自分も助けることのできる側になりたいと思いました。そう感じられただけでも私のメンタルはとても救われたように思います。

そして、モーリーの病気は難病・希少疾患と言われるだけあって情報が少なかったり正しい情報を得るのが難しいと感じることがありました。ただただ地元の医師からの情報や指示だけでは限界を感じることも多々ありました。自分で情報を探しに行く、子供のために疾患を学ぶ大切さも教えてもらいました。

そして家族で参加することで親としてもきょうだい児としても本当に多くの学び、経験、体感…言葉にはできないほどの影響を与えてもらったと思います。この時、カンファレンスに参加したことで本当に勇気づけられ、世界と意識ががらりと変わったように感じました。カンファレンスはただの学びではなく、人と人をつなぐ非常に大切なイベントなんだなと感じました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

今、もしお子さやご本人が骨系疾患・低身長症を抱えていて孤独を感じている方、相談できる場が欲しいと思っている方、ぜひオンラインコミュニティ『Little people of Japan』に参加してみてください。私が医療カンファレンスに参加したことをきっかけに2024年に設立して患者同士の繋がりを大切に活動しています。ご興味ある方は問い合わせからご連絡ください。

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