こんにちは!軟骨無形成症を持つ息子・モーリーの母、えりかです。アメリカで3人の子育てをしています。
軟骨無形成症と診断されるとまず治療法として医師から提案されるのがボックスゾゴというお薬です。ボックスゾゴはアメリカで2021年(5歳以下は2023年)、日本は2022年に承認が下りて使用できるようになった注射治療薬です。今では唯一の軟骨無形成症の承認治療薬として世界中で多くの患者さんに使用されています。
「少しでも骨が伸びるのを期待したい」「合併症が減ってほしい」様々な思いでボックスゾゴの治療を始めるご家族がいます。治療を決断すると避けて通れないのが1日1回の自宅での注射。毎日、痛い注射をしなくてはいけない…子供もやっぱり嫌がりますよね…とくに赤ちゃんや幼児はまだなかなかうまくコミュニケーションできなかったり、なぜ注射をしなくてはいけないのか理解できないのでより難しいと思います。でもやらないわけにもいかない…
「こんなに嫌がる注射、どうしていいかわからない」「もっと楽に打てる方法はないの?」と、心が折れそうになっている親御さんもいるのではないでしょうか?
今回は注射をスムーズにするための「心の準備」と「ちょっとしたコツ」をご紹介したいと思います。今回は、我が家で実践している具体的な注射の流れに加え、子供への声掛けや、親自身のメンタルを保つための秘訣をお伝えします。
あくまでも我が家での方法になります。お子さんそれぞれ性格も違うので絶対にこれでできるようになるとは言えません。注射治療に不安がある、子供が嫌がって大変!!という方はこちらを読んで使えそうなアイディアを試してみてください。少しでも注射治療が楽になったらいいなと思います。またほかに不安に思う点があれば必ず医療機関に相談するようにしてください。
ボックスゾゴとは?
商品名:ボックスゾゴ(成分名:ボソリチド)のお薬の詳細については下記公式ページがあるのでお薬についてはこちらで詳しくご覧になってください。また、お薬の質問等は処方してくださっている主治医に確認しましょう!
そして注射の手順は公式の動画があるのでご覧ください。
また、LINEでお友だち登録をすると注射の投与記録とカレンダー機能、お薬リマインダー設定、お薬情報へのアクセスなどいろんな機能があって便利なので治療を決断されたご家族はぜひお友だち追加してみましょう!

注射を打つ時に守りたい5つのポイント
注射を打つ時に絶対おさえておきたい5つのポイントがあります。
まずは「今から注射の時間だよ」とはっきり伝えましょう。不意打ちは不信感を生みますし、次はいつ突然来るんだろうとビクビクさせてしまいます。信頼関係を構築するためにも心の準備をさせる時間を短く作り、親子で「今から向き合う」という合図をしましょう。
親が「可哀想に……」と不安げな顔をしていると、その不安や緊張は驚くほど子供に伝わり、より子供の不安や緊張を高めます。「ご飯を食べる」「歯を磨く」のと同じように、生活の一部として堂々と、当然・普通のことのように行うことで子供の安心感に繋がります。
お子さんがお手伝いできる年齢なら、ぜひ注射の準備や後片付けを分担してみましょう。ただ「治療を受けるだけ」よりも準備に関わることで「自分も一緒に戦うチームの一員」という意識がうまれて、本人の心構えが変わります。
「ごめんね」「痛いよね」「やりたくないよね」といった言葉は、「注射=悪いもの・怖いもの」というイメージを強化します。そして悪いイメージが増すことでより痛く感じたり、不安が増します。ポジティブな雰囲気のまま、淡々と進める方が注射に対するイメージも悪くなりにくいです。
処置が終わったら、その頑張りを褒めてあげましょう!「達成感」「ポジティブ」の記憶を上書きしていくことが、明日のスムーズな注射へ繋がっていきます。
赤ちゃんと動物 『言葉が通じない』という共通点
注射前ってお子さんも注射を打つ親御さんも緊張しますよね。嫌な空気になったり、泣かれたり、嫌だ!と逃げられたり…性格や年齢によっては反応が違うかもしれませんが楽しんでこの治療をする子はおそらくいないでしょう。
では、この注射前の嫌な空気感…どうして生まれてしまうのか?どうしたらなくせるのでしょう?
実は私、大学は獣医学部で動物科学を学び、動物看護師として働いた経験があります。「動物と子供を一緒にしないで」と思われるかもしれませんが、赤ちゃんや幼児の治療においては「言葉での完全なコミュニケーションが難しい相手に、必要な処置をしなくてはいけない」という点では、共通する部分が多いと感じています。
実は動物看護士として働いていた頃は予防注射や鎮静剤など猫や犬に注射をする機会も多くありました。この時の教えてもらったことは不安や恐怖、心配などのネガティブな感情は伝わるということ。こちらが持っているネガティブな感情って勝手にダダ洩れになっていて動物に伝わってしまって、怖くなってしまって大暴れしたり、逃げ回ったり、そわそわして落ち着かなかったり…動物も黙って治療させてくれないことがあります。
これは子供でも大人でも同じだと思います。嫌な空気、緊張感、不安な気持ち…こういったネガティブな感情や雰囲気って伝染してしまうんです。逆に言えば嬉しい、楽しい、安心感といったポジティブも伝染するということです。
モーリーの毎日の注射
ネガティブやポジティブが伝染してしまうからこそ私たちの出す雰囲気や声掛けがとても重要になってきます。そこで我が家の注射の流れをお見せしたいと思います。
①「注射だよー」と告知
告知もいつもの「ごはんできたよー」のトーンと同じ。いつものね!くらいのテンションで言います。急に注射されたら普通に大人でも怖くなるしトラウマになりますよね。隠さず伝えるのも信頼を高めるために必要だと思っています。
②「注射嫌!」と言われてもひるまない。
モーリーも言葉を話すようになってから「注射、嫌!」と嫌がるようになりました。でも逃げたり、暴れたりすることはありません。私がどーーんと構えて、「やらないわけにいきませんけど?さっさと終わらせますよー」と淡々と当たり前のようにこなすからモーリーにとっても当たり前のこととして受け入れてくれています。
③準備・片づけのお手伝い
モーリーは準備・片づけのお手伝いが大好きです。安全な範囲内でパッケージを開けたり、液体をバイアルに入れた後にバイアルをフリフリしたり、ごみを集めてゴミ箱へ捨てたり…自分も参加している一員になることで注射の時間の中に少し「楽しい」という瞬間が生まれます。
④注射前や注射をするときに絶対にネガティブワードを使わない。
注射治療が決まると「かわいそう」「毎日注射なんて痛いだろうな」と親としては申し訳ない思いを感じる方もいると思います。でもこれがこの子たちの日常であり、向き合っていかなければならないことなんです。私はかわいそうとも申し訳ないとも思っていません。選択できる治療法があるだけでも感謝しています。治療をやると決めたからにはポジティブに向き合いたいと思うのでネガティブワードは使わず、不安や怖さを強めないよう心がけています。
⑤終わったら褒めるのも大切。
「痛い」「怖い」という気持ちで終わるのとポジティブな気分で終わるのとでは次の注射への心構えが変わってきます。終わりだよ!という合図と一緒にたくさん褒めてあげるのが大事だと思います。
これらの動画はモーリーが1歳10か月の時です。
※3本目の動画は実際にお薬を注射で注入している動画になります。ご了承の上、ご覧ください。苦手な方は見るのを控えてください。
まとめ
注射治療が始まる時ってとても怖い、心配、不安…そんな気持ちでいっぱいだと思います。おそらくお子さんも同じように思っていることでしょう。
でも慣れてくれば怖くありません。注射をする技術は毎日やっていけば慣れで上達してくると思います。そして子供の痛みや不安、恐怖をなるべく軽減させる、治療に前向きに参加できるようにするには毎日の雰囲気づくり、声掛けがとっても重要です。
*「注射の時間だよ」という誠実な告知
*「生活の一部」という空気感を作る
*準備・後片付けを手伝ってもらいましょう!
*ネガティブな言葉を絶対に言わない
*終わったら、褒めてあげましょう!
これから注射治療を始めるご家族や注射治療に苦戦しているよってご家族がこれを読んで少しでも治療がスムーズになると嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
